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温度センサー


「温度センサー」について説明します。


1.温度センサーとは


「温度センサー」とは、温度を測定する「センサー」です。
「金属」、「室温」や「水温」など、いろいろな温度を測ることが出来ます。


2.温度センサーの分類


「温度センサー」は、以下のように分類されています。

<注意>
※1:()の番号は分類になります。
※2:○の番号は製品になります。
スマホの画面では、横スクロールで表の右側が表示されます。


分類 概要 
(1)




(1-1)
接触型

※1
(1-1-1)
電気式

※2

測温抵抗体
「測温抵抗体温度センサー」は、金属の電気抵抗率が温度にほぼ比例して変化することを利用した「センサー」です。

サーミスタ
「サーミスタ温度センサー」は測温抵抗体の一種です。
温度変化によって電気抵抗が大きく変化する酸化物半導体を使用した、「温度センサー」です。

熱電対
「熱電対温度センサー」は2種類の異なる金属を使った「センサー」です。

IC温度センサー
温度をIC(集積回路)で測定するセンサーです。
(1-1-2)
機械式
(1-1-2-1)
感温磁性フェライト

リードスイッチ
(1-1-2-2)
熱膨張型

バイメタル
「バイメタル式」は、熱膨張率の異なる2枚の薄い金属板を張り合わせ、温度変化が生じると金属板のどちらかが一方に反り返る現象を利用したものです。

アルコール温度計

水銀温度計
(1-2)
非接触型
(1-2-1)
赤外線センサー


3.温度センサーの原理


「温度センサー」に以下のように大きく2つに分類されます。

わかりやすいように、上の表と同じ番号をつけています。

  • (1-1)接触型
    測定する物体に「温度センサー」を直接接触させる方式です。

  • (1-2)非接触型
    測定する物体からの熱を非接触で計測する方法です。
    この中には「赤外線センサー」があります。
    「赤外線センサー」は、「温度センサー」もありますが「光センサー」としての機能もありますので、別ページで説明します。

です。

「(1-1)接触型」は以下の2つに分類されています。

  • (1-1-1)電気式
    電気を使用します。

    (1-1-22)機械式
    金属の性質などを使用します。

です。

「(1-1-2)機械式」は以下の2つに分類されています。

  • (1-1-2-1)感温磁性フェライト
    温度を感じる磁性体です。
    温度でスイッチが出来ます。

  • (1-1-2-2)熱膨張型
    金属の膨張を利用します。

です。

それぞれの中に、「温度センサー」の製品があります。
主な「温度センサー」の製品について説明します。


4.測温抵抗体


「測温抵抗体温度センサー」は、金属の電気抵抗率が温度にほぼ比例して変化することを利用したセンサーです。

測温抵抗体は、金属の抵抗を測って温度を求めます。
抵抗率が温度によって比例する金属材料を使っています。

金属材料としては、「白金」、「ニッケル」、「銅」などが使用されています。

■特徴としては次のようなものがあります。

  • 精度の高い測定が可能で工業用精密測定に適しています。
  • 広い温度範囲で使用でき、耐食性に優れています。
  • 温度範囲:-240~+700°Cです。
  • 高価です。

です。


5.サーミスタ


「サーミスタ温度センサー」は測温抵抗体の一種です。
温度変化によって電気抵抗が大きく変化する酸化物半導体を使用した、「温度センサー」です。

■特徴としては次のようなものがあります。

  • 温度によって、抵抗値が上がるものと下がるものがあります。
  • 電流を流すと抵抗体なので発熱します。
  • センサーやヒーターとして使われるものもあります。
  • 小型に出来ます。
  • 温度範囲は、-100~+500°Cです。
  • 安価です。
  • キャリブレーション(較正)が必要です。

■用途としては次のようなものがあります。

  • 身近な温度計です。
  • 携帯電話に使用されています。
  • 電気製品(給湯器、炊飯器、食器乾燥機、電気ポット、電子レンジ、冷蔵庫、 エアコン、暖房器具などです)に使用されています。
  • 体温計に使われています。
  • 自動車関連にも使用されています。

■種類

「サーミスタ」には以下の3種類があります。

  1. PTCサーミスタ(Positive Temperature Coefficient)
    温度が上昇すると抵抗値が増加します。
    ある温度を超えると抵抗値が上がります。
    ある温度範囲で感度が良くなっています。

    使用材料としては、「チタン酸バリウム」です。

  2. NTCサーミスタ(Negative Temperature Coefficient)
    温度に応じて抵抗値が減少します。

    使用材料としては、「マンガン」、「ニッケル」、「コバルト」などです。

  3. CTRサーミスタ (Critical Temperature Resistor)
    「NTCサーミスタ」のように温度に応じて抵抗値が減少しますが、ある温度を超えると急に抵抗が下がります。
    ある温度範囲で感度がよくなっています。

    使用材料としては、「バナジウム」の酸化物に添加物を加えます。


6.熱電対


「熱電対」(ねつでんつい)は、「温度センサー」として、昔からあります。

2種類の異なる金属を使った「センサー」です。

「熱電対」とは、異なる2つの金属をつなぐときに起きる「ゼーベッグ効果」と呼ばれる現象を用いて温度を測る「センサー」です。

「ゼーベッグ効果」とは、2つの異なる材料からなる金属をつないで1つの回路(熱電対)つくり、両側の2つの金属の接点に対して、温度差を与えると、回路内に電流が流れ起電力が生じるという現象です。
エストニアの物理学者、「トーマス・ゼーベッグ」によって発見されました。

片端を開放すれば、電位差の形で検出することが出来ます。

熱電対では、組み合わせる金属の種類によって、特性が異なり、また測定できる温度範囲も異なります。
高温、低温の比較的広い範囲で使用できる「センサー」のひとつです。

例えば、
「ウロメル」、「アルメル」の熱電対は、マイナス200~プラス1000度の範囲で使用されます。
K型熱電対と呼ばれています。

■特徴としては次のようなものがあります。

  • 古いタイプの「センサー」です。
  • 流通量は多いです。
  • 取り扱いが面倒なので、身近な温度計には使用されていません。
  • 工業的な用途が多いです。
  • 燃焼温度の測定、ヒーターの熱源温度の制御などに使用されています。
  • 熱電対は、優れた「温度センサー」ですが、起電力が小さく微小な変化は、微小しか現れないという欠点があります。
  • 温度範囲は、-267~+2316°Cです。

■用途としては次のようなものがあります。

  • 500度以上の高温の加熱路、水素分解炉、重油燃焼炉などには熱電対が使われることが多いです。
    高温度の測定です。


7.IC温度センサー


温度をIC(集積回路)で測定する「センサー」です。
絶対温度に比例した出力電流を把握することができます。


■特徴としては次のようなものがあります。

  • 温度範囲は、-55~+150°Cです。
  • 価格が安いです。
  • 追加回路が不要です。
  • 部品点数や実装面積を削減することができます。
  • 温度と電流がリニアリティになっています。
    温度変化による電圧値の変化にリニアリティ(直線性)があることです。
    電圧から温度を簡単に計算することができます。
  • 種類が多いです。


「(1-2)非接触型」の「赤外線センサー」については、別途説明します。


●「温度を検出」の関連ページです。


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